歴民研活動報告
このブログでは京都学園大学「歴史民俗研究会」の活動を紹介しています
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DATE: 2009/11/17(火)   CATEGORY: 活動日誌
鍛冶屋で「鍵鎌雛」製作を体験しました
11月16日、保津川筏復活プロジェクトでお馴染みの鍛冶屋・片井鉄工所で鍛冶体験をしました。9月には多角文芸研究会のメンバーが鉈を製作しましたが、今回は仕事場の神棚にお供えしてある「鍵鎌雛(かぎかまびな)」を、片井さんの指導を受けながら製作しました。
図1
図1.片井鉄工所の神棚
これが片井鉄工所の仕事場の神棚(図1)。火伏せの神、愛宕のお札があるように、火を扱うこの仕事場ではなくてはならないものです。片井さん自身も毎年春に愛宕神社へ参拝しているそうです。
図2
図2.鍵鎌雛
この神棚には「鍵鎌雛」という、鎌と蔵の鍵を模した飾りを木片にくっ付けたものがお供えされています(図2)。片井さんによると、毎年正月2日の仕事始めの際につくり、神棚に供えているものだそうです。この形は片井さんのお父さんの時代から変わらずにつくられてきました。香月節子・香月洋一郎著の『むらの鍛冶屋』(平凡社,1985年)でも、現在の滋賀県甲賀市の鍛冶屋さんにあるそれが写真で紹介されていますが、片井鉄工所のものと形が似ています。全国の鍛冶屋さんではこのような鎌雛だけでなく、船の形を模したものもあるようです(p.28-29)。この形の分布を調査してみるのも興味深いものです。

図3 図4
図3.鍵鎌雛をつくる片井さん
図4.完成した鍵鎌雛

まずは片井さんにお手本をつくっていただきました(図3)。わずか10分ほどで出来上がった鍵鎌雛(図4)。次は私の番(図5)。
図5
図6
図5.鍵鎌雛づくりに挑戦するつちのこ亭幸乃鳥
図6.火床

最初に、コークスをくべて火床をつくります(図6)。この日は片井さんの得意先の炭焼き職人(東別院町)からいただいた炭も使っています。炭を使うと火床の炎もモーターのふいごで風を送らないでも長持ちするそうです。鍛冶屋が使ってきた松炭はいちばん安いものだったようです。
図7
図8
図7.材料の鉄棒
図8.鉄棒の先端を熱する
その後、材料の鉄の棒の先端を熱します(図7,8)。
図9
図10
図11
図9.中鎚
図10.小鎚
図11.形を整える
そして、中鎚(図9)で先端を尖らせ、小鎚(図10)で形を整えていきます(図11)。
図12
図13
図14
図12.タガネ
図13.寸断した鉄
図14.木片に穴を開ける

タガネ(図12)を使って寸断し、その部分を尖らせます(図13)。木片に熱した鉄を当てて穴を開けます(図14)。この木片は、神様にお供えするものなので、新しいものを使います。
図15 図16
図15.鎌の部分
図16.見本(左)と出来上がった鍵鎌雛(右)

もう片方の鍵も同様につくっていきます(図15)。出来上がった2つの鉄を木片にはめ込んで完成(図16)。1時間ほどかかりました。左が片井さんがつくった見本、右が、私がつくったものです。鎌の形が歪で長すぎないか(汗)

図17
図17.出来上がった鎌雛を見る片井さん
片井さんに出来上がったものを見てもらいました(図17)。片井さんは笑みを浮かべて「点数は付けません。私を笑わせてくれたので、10点だろうと20点だろうと30点だろうと関係ありません」と評してくれました。

図18
図18.樫の木で焚き火

この日は曇り空で肌寒い1日でした。冬が近づいている亀岡でも、鍛冶場の火床の暖かさが恋しい時期になりました。ガレージで樫の木の炭を使っての焚き火(図18)。樫の木は通常の炭よりも2~3倍ほど長持ちするため大変貴重なもので、備長炭に使われている素材も樫の木だそうです。またそれは刃物の柄にも使われています。かなり丈夫な木で、先ほど私も使ったタガネや鎚は何十年と使われ続けてきたそうです。

図19-1 図19-2
図19.修理を待つ農具たち

片井さんの仕事場には、修理を待つさまざまな農具が保管されています(図19)。
亀岡の鍛冶屋がここを残すのみとなって数十年。それでも片井さんを頼って修理を依頼しに来る人々が絶えません。片井さんの巧みな技術がなせることだと思います。そんな片井さんに学び、貴重な鍛冶体験ができました。次回は片井さんの農具修理の様子をレポートしたいと思います。

つちのこ亭幸乃鳥
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